2024年6月

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前回の社長日記で掲載しましたダンパー無しの廃品利用ウーハーで、型番無しの特別スピーカーが完成しました。


某店舗用品ショップから15年ぐらい前に購入したディスプレー用BOXを改造し、ちょんまげ型ツイーターで2Wayにし、面白い物が出来ました。
先の店長日記にも触れましたが、ダンパーからのノイズがゼロなので、こんなにすっきりした音になるのかと驚かされています。部品そのものは特別豪華な物ではなく、マグネットも一般的なフェライトです。確かにWavecorはヴォイスコイル径が32mmと大きく、ボビンの質も良いようですし、マグネットも幾分大きい様で、その点では良い物と言えるでしょうが・・・


ツイーターは力いっぱい安いです。でも悪くない。この形状でなければ上載せタイプにはなりませんし、BOXと載せた繋ぎがそれなりに見える物でなければ無骨になってしまいます。(これでも無骨ですが)
上載せタイプはウーハーとツイーターの位相を合わせるのが楽で、概ね計算上のネットワーク回路で前後の調整できれいにまとまります。このウーハーは高域に向かいインフィーダンスがだいぶ上がるので、コイル1つではハイカットが出来ません。仕方なく12dB/octにして、ツイーターを6dB/oct(コンデンサ1つ)の設計にしています。単純に回路を納めるスペースが取れず、出来るだけ簡単にしました。クロスは5KHz付近でツイーターは拘りの正接です。ウーハーとツイーターがあべこべの動作をしない様に正接にすると、こんなに後ろに下げなくてはなりません。
クロスを1.5KHz位まで下げればそこまで下げなくても良いのでしょうが、ツイーターの性能が足りません。Midwooferを考えれば適当ではないでしょうか。


ダンパー無しは耐久性に問題が有るので製品化は出来ませんが、この方法だとそこそこ良い音の製品が出来そうです。作りの豪華さを選ばないで質が良く安価な製品を選択すれば初心者用のお手頃製品が出来るかもしれません。


少し考えてみます。


また特殊なユニットを作りました。
WavecorのWF118WA02を分解しダンパーを除去し、磁性流体を使ってヴォイスコイルを安定させる実験をしました。全く良くならず、ばらした状態でしたので捨てようかと思ってました。元々のフレームは先に紹介したユニットに使用してしまいましたので、こちらはPeerlessのフレームを強引にマグネットに設置し、振動板を取り付けています。


さて、ダンパー無しで更に磁性流体も除去しましたので、ダンパーに代わる仕組みが必要です。そうでなければ、振動板を元の位置に戻す効果が無くなる事と、使用中にヴォイスコイルがマグネットに当たり、ノイズを発生させてしまいます。
それではと対策したのが調理用のタコ糸で、瞬間接着剤で引っ張りながら接着しヴォイスコイルを安定させています。


これは、ユニットを成立させる方法でしかないのですが、ダンパーから発生する音、要するにノイズが出なくなります。最近のユニットでは対策済みが多いのですが、ダンパーとマグネットの間の空気が抜け難い問題があり、これだとその問題ももちろんありません。コーン紙の振動板以外から音が出ないのは、当たり前の様ですが実はそんなウーハーユニット殆どありません。


現在BOX製作中ですが、これが思ったより濁りが無い音に感じています。もちろん量産化は難しく、そもそもヴォイスコイルがマグネットの中心に来るように固定するのが難しく、捨てるつもりだったからできたものと言えると思います。