ONKYO
昨年の5月に廃業を決め、完全にメーカーを畳んでしまいました。早いものでもう1年以上経ちました。
日本のオーディオ機器では最も売り上げを上げていた企業でしたが、大勢の社員抱える企業としては存続は難しかったのでしょう。かつての有名メーカーだったパイオニアも共に葬り去られました。ONKYOは一時スピーカーメーカーとまで言われ、セプターシリーズは注目された商品群でしたが、最後のセプターSC3は思うような販売数にはならなかったようです。
それもそのはずで、どれほど品質や性能が良くても市場のニーズが大手企業を支えるほどの規模に無いのが現状です。今現在でもソニーやビクター、ケンウッドなどスピーカーを作るメーカーはまだありますが、手ごろな物は概ね中国製で日本製商品が通常の市場からほぼなくなってしまいました。
高井工芸がそれを担うなどとは全く思いませんが、全てをなくしてしまうと作りたい時に作れなくなる問題もあります。伊勢神宮の式年遷宮でもお社作りの技術の伝承目的とも言われています。儲からないからとか、この程度の物と言って葬り去ってしまうと、旨味の無い社会になってしまいそうです。
ガレージメーカーだからこそそんな事が出来ると思っています。それでもスピーカーの製作は出来ても肝心のユニットは作ることが出来ません。もちろんそのノウハウも無く、多くの資金力が無ければその技術を継承することが出来ません。そこまでは無理なので考えない様にしています。