2012年4月

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なんだかものすごい会合に参加してきました。と言うよりただいただけ、と言った方がよいかもしれません。

アンプは元より、スピーカー全部、LP用アームからカートリッチに至るまで全て自作してしまう方々ばかりで、その一部を拝見してきました。
上の写真は、機材とフィールド用SPのステレオ演奏で、下2枚が65cmフルレンジユニット(SP)になります。機材の方は、聞いてもよく解らなかったのですが、なんでもパワーアンプは電流を増幅させる物らしく、通常のアンプとは原理が全く異なるそうです。で、良かったのか悪かったのか全く解りませんでした。と言うより、圧倒されてそこまで判断が付かなかったと言うのが本音です。
SPは
背面開放型で、驚くのは、浮遊ボイスコイル?と言いますか、2つのネオジムマグネットを同極に向い合せ、その間にVCを配置するやり方で、信号が流れると反発と吸引が双方のマグネットで同時に起き、VCが完全に浮いた状態になる仕組みで、エアコンの風でふわふわコーン紙が動いている程軽くできています。音の方は、流石に繊細で自然、輪郭がはっきりと出る音でしたが、部屋がかなり広くないと低域はあまり感じられません。市販の70cmウーハーとは考え方が全く違いますので、激しい重低音を期待する物ではありません。

これも極めてレアで、上が何とかっと言った1930年代のフィールドSPで、きれいな軽い音が出ます。いい音ではあるのですが、片方が不調で真の音が聞けなかった事は残念でした。
それ以外は、マスターレコードで本物を見るのは初めてです。金属板にメッキをかけ、それに調節録音するそうで、これをコピーしてレコードができる訳です。自分も学生時代石膏デッサンをずいぶん描きましたが、再三のコピーで出来た石膏像と本物の彫刻では、別物だと感じたことがありますが、正にそんな感じで全く印象が違います。黒いマスター板は、金属板にラッカーを塗ったものだそうです。二回りほど大きいのが印象的でした。

最近は肖像権がありますので、写真も修整すべきだったのですが、写ってしまわれた方にはお詫び申し上げます。
少々低域が強い音楽をかけたため、フィールドSPと大型フルレンジを直列に繋いで鳴らしてみました。でっかいくせに近くで小さく聴くのがよさそうに感じました。不思議と空間(部屋)の空気を乱さないSPだなとも・・・

最後の写真はクオードのコンデンサSPです。これは市販品ですが、クラッシックは良いですね。はっきりした特徴がある訳ではないのですが、まとめ方が上手いSPのようです。弊社も振動SPを作っていますので、大変参考になりました。通常のHi-ENDオーディオを好まれる方には、このてのSPは全く向かないでしょうね。

なんだか衝撃的な1日でした。数日整理して何がどうだったのか、ゆっくり検証したいと考えています。またこのような会があれば参加したいと思っています。
ちなみに、自分が使っているアームは、こちらの主催者の方に作っていただいたものです。

Audio Nirvananoの事に付いて、少々補足したいと思います。
あまり耳慣れないメーカーですが、多分企業ではないのかと思います。聞いた話では、FOSTEXをこよなく愛したフルレンジマニアの資産家のアメリカ人がいまして、その方はが言うには、「昔の(日本製)FOSTEXは良かった・・・」らしいのですが、近年の製品には満足できず、遂にはポケットマネーで納得のゆくユニットを製作するに至ったそうです。

アメリカでは、こんな物を生産する工場は殆どなく、もちろんそんな個人の話をまともに聞くわけもなく、世界中のユニットメーカーから依頼を受けて生産している、中国の工場で製品化させたものです。裏側のシールは、セントルイスの夜景で、そこにお住まいなのでしょう。当然USA製にしたかったと思います。

このユニットは、横浜ベイサイドネット様で取り扱っておりますが、何でも秋葉原のコイズミ無線様との提携話があった際に、小泉社長が訪れ、提携商品とは考えていなかったAudioNirvanaの6.5インチを見るなり、これをくれと急遽コイズミ無線様で取り扱う事になってしまったとか。往年のオーディオファンにはたまらない雰囲気をかもし出す、そんなユニットがこのメーカーの魅力の一つです。

強い思い入れ、正に入魂の商品だからでしょう、現在ではアメリカのフルレンジマニアの中では人気のメーカーのようです。にもかかわらず専用のホームページもなく、個人取引の様な状態なのでしょう。今では、38cmフルレンジからこの3インチの物まで、殆どのサイズがラインナップさせています。

音の方は、3インチの場合ですが、FOSTEX好きでもあったためか、その傾向の良さを持っています。スタジオかホールの奥の奥の人がちょっと話した声まで聞こえてきます。このCDにこんな音があったっけ?と思うほどの表現力です。華やかなデンマーク製の物と比べて、低重心で落ち着いた印象です。FOSTEXに慣れている我々には、なじみやすいと感じています。F社には大変失礼ですが、高域を稼ぐ為か?音量を上げるとギャーギャーと耳にきつい音が感じられますが、その商品は周波数を少々控えめにしている為か、音量を上げても全くうるささを感じません。

中国製の為でもあり、何処かで作ったユニットの同材を別の商品にして販売するケースを時々見かけます。ひどい例では、Scanspeakの人気商品を生産していた工場が、メーカー(依頼主)を通さず、商品を横流しする事態もありました。このユニットも、同じコーン紙を使っている物をたまに見かけますが、それとは別物とお考え下さい。重要なのはエッヂにあり、振幅を大きく取るのではなく、どれだけのスピードが確保できるかで設計されています。コーン紙も優れていますが、ここが特徴です。このサイズで8Ω、88.4dBはFOSTEX以外殆ど見当たりません。なんだか良く解らないメーカーの商品ですが、採用を決めた理由がそこにあります。

どちらかと言えば10インチ、8インチの物からの技術移行なのでしょうが、全商品にこの様な特徴があると感じています。38cmのユニットはすごいですよ、150リッター以上は必要ですが、この迫力と自然さは流石です。

オーディオ関連では、大手メーカーとは異なる魅力を持つ組織(個人)が、沢山の製品を世の中に紹介しています。それもオーディオの魅力だとも思います。弊社もその一役を担える様に努力して行きたいと考えています。