新年会
昨日、木工組合の新年会がありました。 となりの席の御年75歳の方は、昨年末に息子さんに会社を譲り、隠居のみとならたそうです。
幼いころは満州で過ごし、大戦で父親を亡くし、引き揚げ後に都内の木工やで修行したそうです。 本人の話では、当時は映画を1本見て散髪に行けば月給が無くなるほどの収入だったらしく、 戦後の混乱期では、そんな人の使い方もあったのかもしれません。
その後、今の木工組合員でもある方の、お父さんの工房に飛び込みで修業し、 今では、専門の機器をそろえる工房を持ち、何十年のお付き合いの多くの顧客があり、 従業員も抱える株式会社まで築き、先ごろ息子さんに全てを譲ったそうです。
趣味の域をはるかに超えた社交ダンスは、かなりの力の入れようで、 自前のダンスホールを作ってしまうほどで、 代替わりをしても、だいぶお忙しいようです。
現在は、恵まれた時代ですので、この様なご苦労は想像もつきませんが、 「今までの人生で、全く後悔は無い」とおっしゃっていたのが印象的でした。
戦後復興、高度経済成長と多くの波が、この小田原の木工芸にもおよび、 夢物語のような全盛期があったそうで、その中で財を築いた方々が殆どです。 ビジネス的には、むしろ今は厳しい時代です。 ですが、やっぱり一世代前の方々は、荒波を生き抜く力が本当に強く、 その力があったからこそ出来たことなのでしょう。 自分たちの代も負けてはいられません。 もっともっと努力しなければ!!