Audio Nirvana

Audio Nirvananoの事に付いて、少々補足したいと思います。
あまり耳慣れないメーカーですが、多分企業ではないのかと思います。聞いた話では、FOSTEXをこよなく愛したフルレンジマニアの資産家のアメリカ人がいまして、その方はが言うには、「昔の(日本製)FOSTEXは良かった・・・」らしいのですが、近年の製品には満足できず、遂にはポケットマネーで納得のゆくユニットを製作するに至ったそうです。

アメリカでは、こんな物を生産する工場は殆どなく、もちろんそんな個人の話をまともに聞くわけもなく、世界中のユニットメーカーから依頼を受けて生産している、中国の工場で製品化させたものです。裏側のシールは、セントルイスの夜景で、そこにお住まいなのでしょう。当然USA製にしたかったと思います。

このユニットは、横浜ベイサイドネット様で取り扱っておりますが、何でも秋葉原のコイズミ無線様との提携話があった際に、小泉社長が訪れ、提携商品とは考えていなかったAudioNirvanaの6.5インチを見るなり、これをくれと急遽コイズミ無線様で取り扱う事になってしまったとか。往年のオーディオファンにはたまらない雰囲気をかもし出す、そんなユニットがこのメーカーの魅力の一つです。

強い思い入れ、正に入魂の商品だからでしょう、現在ではアメリカのフルレンジマニアの中では人気のメーカーのようです。にもかかわらず専用のホームページもなく、個人取引の様な状態なのでしょう。今では、38cmフルレンジからこの3インチの物まで、殆どのサイズがラインナップさせています。

音の方は、3インチの場合ですが、FOSTEX好きでもあったためか、その傾向の良さを持っています。スタジオかホールの奥の奥の人がちょっと話した声まで聞こえてきます。このCDにこんな音があったっけ?と思うほどの表現力です。華やかなデンマーク製の物と比べて、低重心で落ち着いた印象です。FOSTEXに慣れている我々には、なじみやすいと感じています。F社には大変失礼ですが、高域を稼ぐ為か?音量を上げるとギャーギャーと耳にきつい音が感じられますが、その商品は周波数を少々控えめにしている為か、音量を上げても全くうるささを感じません。

中国製の為でもあり、何処かで作ったユニットの同材を別の商品にして販売するケースを時々見かけます。ひどい例では、Scanspeakの人気商品を生産していた工場が、メーカー(依頼主)を通さず、商品を横流しする事態もありました。このユニットも、同じコーン紙を使っている物をたまに見かけますが、それとは別物とお考え下さい。重要なのはエッヂにあり、振幅を大きく取るのではなく、どれだけのスピードが確保できるかで設計されています。コーン紙も優れていますが、ここが特徴です。このサイズで8Ω、88.4dBはFOSTEX以外殆ど見当たりません。なんだか良く解らないメーカーの商品ですが、採用を決めた理由がそこにあります。

どちらかと言えば10インチ、8インチの物からの技術移行なのでしょうが、全商品にこの様な特徴があると感じています。38cmのユニットはすごいですよ、150リッター以上は必要ですが、この迫力と自然さは流石です。

オーディオ関連では、大手メーカーとは異なる魅力を持つ組織(個人)が、沢山の製品を世の中に紹介しています。それもオーディオの魅力だとも思います。弊社もその一役を担える様に努力して行きたいと考えています。